透華さんのブログ(106)
透華(29)
和歌山・ツンデレ系

17歳のカルテ

20/4/19 19:22
731 1
探しに行こう心にできた隙間を - 埋めてくれる何かを。
自殺しようとしたんじゃない。消そうとしたの。

実体験を元に作られた作品。

彼女達は演技と思えないくらいリアリティがあった。

いまにも壊れてしまいそうな狂気を抱きながら、どこか優しい彼女達が心の葛藤を乗り越えて必死で生きようとする姿勢には感動。

少女みたいにあどけない、無邪気な面があって、でもどこか心に空虚なものを抱えている…そんな心情がよく伝わってきた。彼女達は頭がおかしいわけじゃなくてただ純粋過ぎただけ。

とにかく自分の感情と向き合えという看護師のメッセージは強烈だった。どんなにつらくても、結局自分を救えるのは自分だけだと思い知らされた。

この作品は私にとって他人事とは思えない。

作品にするにあたって勇気がいったと思う。精神病に対する歪んだ偏見が無くなることを祈っている。

アカデミー賞を受賞したアンジーもウィノナも迫真の演技。
本人が役と似た影を持っているからだと思うが。
今となっては良き母のイメージが強いアンジーも、当時は恋人とナイフで体に傷をつけ合った過去や、夫婦でお互いの血を持ち歩いた話など、かなり過激で不安定だった印象がある。

ウィノナも万引きを繰り返して逮捕されていた。
映画の冒頭にも「何となく万引きしたり」と彼女のナレーションが入っている。
実際、この原作を読んだ彼女が映画化を推し進めたそう。

ウーピー扮する看護師と女性ドクターは、甘えて逃げてばかりの少女のお尻をひっぱたいている。
人生において重要な存在。

追い詰められたスザンナがリサに言い放った言葉を聞いたとき息が止まった。
リサはスザンナが羨ましく、一緒にいると自分も生きている感じがしていたのに。
ある意味、完全に殺されてしまった。

内容はかなりヘビー。
でも「DOWNTOWN」を聞くと気持ちがちょっと和らぐ。

しかし、アンジーの圧倒的な存在感と演技力はウィノナを完全に食ってしまっている。
(c)tel2.tv