透華さんのブログ(106)
透華(29)
和歌山・ツンデレ系

スリーデイズ

20/10/3 19:23
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最愛の妻が殺人罪で逮捕され三年が経過。
夫は大学で教鞭を取りながら一人息子を育て、
無罪を信じる妻を助けるべく奔走する。
しかし“物証,動機,目撃者”全てが妻を犯人と指し示して…
裁判での救済の道が閉ざされた時、夫は“妻奪還”を決意する。

 発端となる事件については、前半の夫による想像シーン、
ラストの担当刑事による想像シーンとしてだけ触れられている。
今作品は夫の思い、その言動を中心に描かれている。
実直な夫は“無実の最愛の妻”を取り戻し
また親子三人で暮らすという未来図を描く。
そしてそれを現実にする為のプランを、綿密に練り上げて行く。

 ラッセル・クロウの、あの淋しげで情けない表情が最高。
強い決心の中にある、たった一人で成し遂げるという心細さか…
つまずきながらも、諦めずに目標を目指す。
後ろ姿、背中が痛々しく、切なくて堪らない。

 ラスト30分、息つく間もない逃走劇が始まる。
もう後戻りは出来ない…ハラハラ,ドキドキしながら“見守る”

 敢えて事件には触れない視点の置き方、緩急のある流れ、
主人公と息子,主人公と父親という“父と息子”の関係が、
沢山の台詞や会話ではなく、触れ合いで描かれる…

見事な作品。特に素晴らしかったのは、刑務所を出られないと悟ってやけになった妻に対して、ラッセル・クロウが「君が何を言ってもどう言っても僕は無実だと信じてる。約束する。君の人生を取り戻すと。」
真剣に告げるシーン。台詞なく涙だけで応える妻。
このシーンの描き方、凄い。
号泣。

とにかくラッセル・クロウの演技が光る!
それまで対して興味がなかったがこの作品で大ファンになった。
(c)tel2.tv