透華さんのブログ(106)
透華(29)
和歌山・ツンデレ系

アイデンティティー

19/10/15 00:28
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うっかりすると見過ごしてしまいそうだが、冒頭に重大なヒントが隠れている。連続殺人、精神科治療、死刑囚再審など。
大雨のためモーテルで缶詰されたさまざまな人間性と生い立ちを持った11人。次々と犯人不明の殺人が繰り返される。
死体のそばに生き残り人数を示すナンバーのルームキーがおかれ、死体がいつの間にか消える。
モーテルが100年前の大水飢饉で全滅した先住民墓地跡にあるのも因縁めいた不気味さを感じる。
エド(ジョン・キューザック)は元警官で今は落ちぶれた女優の運転手、一番まともな人間で良心(?)と呼べる存在。
ロード(レイ・リオッタ)は連続殺人犯護送中の刑事、張り詰めた雰囲気がワケありか(?)。パリス(アマンダ・ピート)は元売春婦で新しい人生の出発を目指す。他に小市民を絵に描いたような父、エドに車ではねられる母、自閉症ぎみの子供の3人親子。9時間前に結婚したばかりの新婚夫婦。女優をもてはやし、パリスをあからさまに侮蔑するモーテルの主人。
モーテルでの不可解な出来事に翻弄されながら、ストーリは進展していく。11人にある共通点があることが判明し、謎が深まったと思いきや、どんでん返しによりすべてに合点がいく。11人の俳優を「駒」にして人間の心の複雑さを斬新な視点で描く脚本に感服する。
ラストは評価の分かれるところかも知れないが、そこにもどんでん返しが用意されており、最後まで気が抜けない。
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