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和歌山・ツンデレ系

ヒトラー 最期の12日間

21/3/18 03:37
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ヒトラーやナチス関係の歴史はあまりにデリケートすぎて、歴史的事実に感情やイデオロギーに由来する主観的解説が入りやすいものだが

批判するでもなく美化するでもなく、右でもなく左でもなく、軍や国家でもなく、善か悪でもない。

当時のドイツ中枢を主導した層を=”何か特別な力を持った悪魔的存在”として描写するのではなく、彼らもまた「我々と同じ人間」としてスポットライトをあて、道を違え失敗した者達の行く先を「現実」という真に無慈悲な傍観者の視点で淡々と看取っていく構図が良いと思った。

もしこれがただ「悪魔が滅びる」という構図だったら、途端に今の平和な社会を生きる我々とは縁の無いただの歴史話になり下がっていただろう。
「我々と何ら違いの無い人間達が、曲りなりにも自分なりの大義をもって一つの国の中で大成功し、それがやがて失敗し巨悪として破滅した」
今にもありうる話だからこそ、この映画は不気味な現実味があり、そして怖いのだ。

当事国でありヒトラーやナチへの嫌悪感が圧倒的に強い(であろう)現在のドイツで、よくここまである程度の中立を維持した内容の映画を撮れたものだなぁと関心した。
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