透華さんのブログ(106)
透華(29)
和歌山・ツンデレ系

ロード・オブ・ザ・リング

19/9/3 08:14
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この3部作を楽しめるかどうかは、ファンタジー要素溢れる世界観
にすんなり入っていけるかに懸かっていると思います。けれどその
世界で描かれているのは、私達にとってすごくリアルな事。
人間の持つ強さ、優しさ、狡さ、そして弱さなのです。
劇場公開された当時は、時期が時期なだけにどうしてもイラク戦争と
重ねて見ていました。クライマックスのヘルム峡谷での戦いは、
サルマンが作り上げた1万もの兵達が「人間を根絶やしにする」と
いう理由で猛然と襲いかかってきます。対しそれに立ち向かうのは、
若干300の人間達。その中には老人や子供の姿も。武器を渡され
怯える彼らの姿を、カメラはありありと映し出します。それはまるで
現実のようで、見る度に胸が痛くなります。
静かに恐怖が過ぎ去るのを待つ母親や小さな子供達も、監督が
この映画で訴えたかったことなのではと思いました。
戦いの後、世界は一旦平和を取り戻したように見えますが、また
新たな戦いがすぐそばまで迫ろうとしています。悪に屈しない為、
自分の愛する人を守る為、人々は戦います。けど、この世界に
戦いがなくなる日は来るのか・・・フィクションと言えども
そう感じさせる力を、この作品は持っています。
ピーター・ジャクソンがなぜここまでリアルに人を描いたのか、
あなたの目で自由に感じ取ってください。
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