透華さんのブログ(106)
透華(29)
和歌山・ツンデレ系

セブン

19/8/20 15:13
1111 2
ブラッド・ピットとモーガン・フリーマン様の豪華なダブル主演で話題になった、1995年公開のアメリカ映画です。
タイトルの「セブン」とは、ローマ・カトリック教会で公認されている<7つの罪>のこと。

その「七つの大罪」とは、

1GLUTTONY(大食)
2GREED(貪欲)
3SLOTH(怠惰)
4ENVY(嫉妬)
5WRATH(憤怒)
6PRIDE(傲慢)
7LUST(肉欲)

の以上です。そしてこの「七つの大罪」を体現している人物を犯人は殺っていく。
犯人は異常なシリアルキラーなのでしょうか。

そこかしこで過去の文学作品への言及があって、というかその文学作品が犯人の主要な殺人の動機となっていて、深いです。
たとえば、ミルトンの『失楽園』、ダンテの『新曲』、チョーサーの『カンタベリー物語』、シェークスピアの『ヴェニスの商人』。
でもこの物語の<不在の中心>として物語を統御しているのは、ほかならぬドストエフスキーの『罪と罰』だと思われます。

先ほど「犯人は異常なシリアルキラーなのでしょうか」と書きましたが、映画中のセリフにもあるように、犯人は「お金があり、教育もある」恵まれた高等遊民のような存在です。
また、私が見た印象では、まともで礼儀正しく知性も感じられます。だから上記で『罪と罰」を挙げました、特別な人間は下等な人間を殺、しても良い、という発想に至ったのではあるまいか。
最後の場面で、ブラッド・ピットは妻が殺られたことを知ります。
そのためWRATH(憤怒)に駆られて犯人を殺ってしまいます。
ちなみに、犯人は普通の市井で生きる普通の人々のことをENVY(嫉妬)していたのですが、その象徴的対象がブラッド・ピットでした。つまり、ブラッド・ビットが犯人を殺ることで、逆から言うと犯人は殺されることで、「七つの大罪殺人事件」は完成したのでした。初めて観た約20年前の私は驚愕でした。
年に何度か不思議と観てしまう魅力的な作品だ。
(c)tel2.tv